...小話...


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チェス(西洋将棋) ゾロとナミ

海図描きにも飽きたというナミの誘いを受け、水槽の前でゾロはナミと盤を挟んでいた。 
初めてのゲームにナミから基本の解説を受けて いざ 勝負。 
 
 
「ホレ、これで王手」 
「あ、それ待った・・ほら待ってよ」 
「待ったはねぇ」 
「何でぇ〜?ゾロが強いなんておかしいわよ」 
やや低い声。甘えを含んだそれでも不機嫌そうな声。 
「はん。こんなもん金銀落ちでやってる将棋みたいなもんだ。簡単だぜ」 
「・・・だからって解せないわ、頭使うゲームであんたがあたしに勝つ訳ない」 
「負け惜しみか?」 
にやりと上から目線で笑うゾロと鼻息荒く伏せた頭で下から見上げて睨むナミの間。二人の距離は頭一つ分。 
フッと一息ついたのはナミが先。 
 
 
 
 
「・・・・・ねぇ」 
盤の向こうから艶を含んだ声としっとりしたしなやかな指がゾロの指に絡んできた。 
その手の中に今取ったばかりの僧侶のコマがまだある。ナミは駒をゾロの手を両手で包んで、そっと唇を寄せる。 
唇の間から見える滑らかに赤く染まった舌先の赤さに攻撃に転じる事が出来ない。 
その奥に獲物を狙っている牝豹のダークな濡れた瞳。 
薄い服からすんなり伸びた真っ白な両腕の間に挟まれて服の上からも強調される真ん中の更に白いふくらみと谷間が嫌でも目に入る。唇が触れそうな距離からナミの両手に包まれたゾロの手がゆるりとその白い胸に引き寄せられる。 
 
「おねがい聞いてくれたらあたしも一つだけ言うこと聞いてあげる。」 
 
言葉の触手のような心地よさにゾロが唾を飲み込む音が響いた。 
 
 
end 
 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
糖度低めのままで終了。 
どうやら将棋ならナミより強そうなゾロの奴だが・・・・勝てると思います? 

>> DATE :: 2010/07/17 Sat


ちょぱ日記20 交感神経作用

チョッパーの日記より 
『涙の成分が交感神経の働きで変わると成書にあったが、他の体液も同じだと証言を得た。証明したいから採取を頼んだらサンジが蹴ってきた。研究のじゃまする奴はトナカイに蹴られるんだぞ!』 
 
 
 
 
「馬鹿マリモ!ハゲ!緑色!・・死んじゃえ!」 
いきなり泣きながらありったけの罵詈雑言とともにナミが駆け出した。 
 
「あーーらら」 
「痴話喧嘩ね」 
大人組は冷静。ちょっと楽しそう。 
「ナミさんは泣き顔も可愛いvvv。慰めて差し上げたいが・・・・マリモが全部悪い。さてナミさんが泣きやまないと飯に出来ねぇな」 
ゾロへの悪口は嬉しそうに、だがナミの走った方向に足を向けたサンジはロビンに止められちぇっと肩をすくめて不満げに船長に視線を送る。 
サンジの言葉にえーーっと頬を膨らませたルフィが申し告げた。 
「とりあえずゾロが悪いんだろ?謝れ。これは船長命令だ」 
いらっとしてはいてもゾロは船長命令には逆らわない。苦々しい顔で立ちながら刀を手に取った。その横に向かって人獣型のチョッパーがトコトコとゾロに走りよった。 
「ゾローー教えとくぞ。怒ってるときの涙は辛くて体に悪いんだ。」 
「本当か?」 
驚いたウソップの問いに青い鼻を高々に説明を加える。 
「ストレスのかかった涙とそうじゃないのは成分が違うから味も違うんだ。嘘だと思ったらゾロ、ちゃんと謝る前と後に舐めてみろよ。」 
「それはいらん!」 
サンジの怒声が響いてチョッパーはぽかんとした。 
「え?知りたくないのか?」 
チョッパーは知りたいことがいっぱいある。 
「ゾロは知りたいだろ?」 
むしろそれが当然だろとゾロの方を向いて聞くとゾロは思案顔でちょっと考えていた。 
「涙だけか?変わるの?」 
その質問に今度はチョッパーが首を傾げた。 
「え?そうだなぁ涎とかもそうじゃないか?ほらみんな敵の前で緊張すると唾の味変わるだろ?」 
聞いたウソップは納得行ったと手をたたいた。ゾロはふむふむと頷いている。 
「確かにあいつ上も下もトロトロになってくると甘くなってるかもしれねぇ。今度試してみるか。」 
ゾロの爆弾的な独り言に皆が目をむき、チョッパー一人が目を輝かせた。 
「あ!だったらサンプル採取してくれないか!前後の変化が欲し・・・・」 
 
二人の背後に黒い影が震えている。 
「てめぇら・・・・・・!!」 
激辛な涙とともに綺麗な回旋の蹴りが宙を舞った。 
 
 
 
その夜・トレーニング室で。 
ナミはぐったりして、ゾロは舌なめずりしていた。 
「確かに、甘い」

>> DATE :: 2010/07/17 Sat


【西瓜】

西瓜ってバ○アグラ的な効果があるとの噂あり。
「レイリーーー!礼だーーー!」 
モンキー・D・ルフィの仲間の金髪の男が帰り際、ヤルキマンマングローブの下に降りてから、緑と黒の縞の球体を放り投げてきた。 
「六切れほども食べたらあっちに効くんだとよーーー!」 
「馬鹿モン!私はまだ現役だ!!」 
 
シャッキーが耳元で囁いた。 
懐かしすぎる名前だった。 
まだ現役で東の海にいると。名を馳せていると。良い料理人になったと。 
私に向かって平気な顔で生意気な口をきく片眼の彼を鍛えたのが片足になったあの男と聞いてはこの暴挙も当然か天然と言うしかないだろう。 
嬉しいことだ。次世代に繋がる懐かしい名前ばかりを良く聞ける。 
 
 
「で?どうするのかしら?」 
「四日後にここで冷やしておいて貰おうか」 
黒い瞳はきらりと濡れて、その彼女の片頬に微笑みが宿った。

>> DATE :: 2008/08/02 Sat


標本 (ハチ)

チョパ日記19でも番外編(だってゾロもナミもこの時忙しいから)
人身売買会場で争乱の最中。 
 
「すまねぇな、お前らホントに良い奴らだナ・・」 
「しっ口をきかなくて良いよ」 
「けど、お前にはさっきも手当てして貰ったのに・・」 
「それこそ気にすんなよナ!俺は医者だから!」 
「うっうっ・・・」 
「生きててくれて本当に良かった」 
「ううっ・・・」 
優しい言葉に銃弾の痛みも呼吸の苦しさも少しだけど癒される。 
チョッパーの顔はキラキラと輝き守護天使のようだとハチは思った。 
 
「それに俺、魚人の気管の構造見たかったんだ! 
 
この間みたいな只の外傷じゃなくって今回みたいにお前が真っ正面に撃たれてくれたから外からでも中味も充分見れたし、吹っ飛ばされたその中味もここにあるからちゃんと見られたし!! 
な!研究しておくからなっ! 
早くホルマリンに漬けたいなぁ。 
顕微鏡で見たらどんなかなぁ! 
だからこれで充分満足だよ!!」 
 
彼の小さな蹄の上に、赤く染まった肉片一つ。 
その上に輝くきらきら純粋な瞳が覆い被さってくる。 
 
 
「!!!!!!!!!!!!!」 
 
 
 
彼の言葉によればその瞬間、ハチの視界にはそれは綺麗なお花畑が浮かんだという。 
 
 
 
 
@小声「にゅ〜〜俺。本当に助かるのかなぁ?」 
@大声「おうっ!!まかせとけっっ!」 
 
 
 
 
任せて良いのか微妙に疑問な天然黒チョパ 

>> DATE :: 2008/07/30 Wed


ロビフラ第一弾!
馬鹿な男 
それが第一印象だった。 
 
 
 
 
長年密かに世界政府と強かに渡り合ったアイスバーグの弟弟子に当たると言うのに彼の冷静さとは全く違う。よりによって逃げられるタイミングを私などのために使うなんて。 
私ではなく彼らを信じるのならまだしも、こんな下らない私を信じて、あげく何より大切にしてきた彼の絆が守らせている真実の結晶の設計図をあっさり焼いてしまえるなんて。 
本当にただの馬鹿。 
 
 
それなのに橋の上、希望という言葉をその傷ついた全身に纏って現れたのは彼だった。 
ただの馬鹿のくせに己の身を省みずに私を彼らの元に誘うその大きな手。 
己より大きな物に守られる気持ちは子供の頃に抱いたサウロへの信頼に少し重なってゆく。 
島に帰ればその大きな手が嬉しそうに船を削りだしていた。 
 
 
 
差し入れですって。コックさんからよ。 
おいといてくれ。そのうち喰うから。 
わかったわ邪魔はしないつもりよ。けどこれだけ聞いて。私貴方にいいたいことが・・ 
−−−−−−−−−−−−−−−−あーーーっと!ここの仕上げはもっと細かくいるんだ!って事で悪ィがおまえのはなしをきいてるひまなんてねぇんだよ! 
 
 
なんて意地っ張りな男かしら。 
感謝もさせてくれないだなんて。 
ふと、自分の中に今まで感じたことのない想いに気がついた。 
 
 
 
 
もう少し、この男を眺めていたい。 
 
 
 
 
おそらくは鎧を脱いだばかりの傷だらけの心の中に初めて芽生えた感情だ。 
そんな葉を付けるのか?そんな花を咲かせるのか?実はなるのだろうか? 
初めて水を得た大地のように私の心の中が膨らんでゆく。 
 
 
 
 
 
今、彼らが彼を欲しがっている。 
欲しい物を目の前にして諦める海賊なんて馬鹿げてる。 
私も逃がさないわ。欲しい物は欲しいと言うわ。 
だって「私も」海賊になったのだから。

>> DATE :: 2006/12/11 Mon




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