07



「このごろゾロに冷たいじゃない。」
突然の質問にせっかくのシャボンディソーダが喉が詰まってむせた。息をすっかり乱した背中を他人には目立たないようにそこから手を生やしてゆっくり撫でる。
むせて咳き込みながら下から見上げる瞳は大きく見開いて驚いた目をしてる。こちらの喜ぶだろう男性用水着とか綺麗なレースの下着とかまわってくれて私に配慮してくれたのは嬉しいけどこの話題から避けるつもりだったのかしら?
「べつに?」
「飽きたの?」
「別に?誰が飽きたのよ。」
「最近ご無沙汰みたいだし。」
「覗くのは無しって言ってるのに。だから別にって。大体アイツの方がトレーニングに忙しいのよ。チョッパーにいくら怒られても止めないしどうしようもない馬鹿よね。」
流れるようにしゃべりながらハンガーに掛けられたカジュアルなドレスの中を乱暴に見繕いながらやっぱり無いわと鼻息が荒い。
「バーソロミュー・くま・・・ね。」
「そうそう、熊さんのぬいぐるみが好きな男になんて興味ないわ。」
隣に並んだ棚から手に取ったサンダルを一睨み。好みじゃないと呟きながらまた棚に放り返す。立ち姿が荒い。買い物に集中も出来てない。
ロビンの頬に右手の指が添えられる。
「ライバルが七武海じゃ辛いわよねぇ。」
「そんなんじゃないし!やりたい奴にはやらせておけば良い、この船の鉄則でしょ」
大好きなワゴンセールを見つけても気もそぞろ。
「そう言う面倒避けないでイヤならイヤって、ほしいなら欲しいって伝えればいいじゃない?男なんてわざわざ言ってあげても解んないくらいのお馬鹿さんなんだから。」
「・・・欲しくもないし、やじゃないもん。」
口先はとんがってるけどね。ロビンは深めにため息一つ。
「ナミちゃん。正直にな方が楽になるわよ?」
「あたしはいつも正直よ。好きなものはお金と蜜柑vマリモなんて興味ないわ。」
「強情な子。」
「そんなことよりあっちのお店!見に行くわよ!」
「はいはい」
肩をすくめながら、喧嘩が盛大だと後の仲直りも派手な見せ物だからそっちを楽しませてもらうわね とロビンは呟いた。




◎ おまえの「本当」は知っている

「好きなものはお金とみかん!」

もっと好きなものは故郷と仲間と冒険と未来と… 
とにかく欲張りすぎる。


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