【Real intention】

えみさん


1. 1


青い空を梳いて流したような長い髪を、
潮風になびかせているビビを見て、

こいつ キレイだ

そう思った時から何だか変だ

サンジが狙っていたのは知っていた。
でも、あいつは口ではいろいろ言うけど、
本気な時ほど行動に移すのは後だから、
先にビビの唇を奪った

自分の物にしたい

そう思ったから、行動に移したまでのことだ



2. 2

キレイだと思った女は今までに二人いる

俺の育った、フーシャ村のマキノ
酒場を一人で切り盛りして、いつも暖かい笑顔をだった
時々空と海が赤く染まる時間に、海のはるか彼方の方を見つめて、
寂しげに微笑む
そんな時、子供の俺でもドキドキするぐらい、キレイだと思った

3. 3

もう一人はナミだ

キレイだったけど、頭が良すぎてイヤミばかり言う女だった
何かを隠して決して本音を出さないヤツ
ナミが本音をさらけ出して、ぐしゃぐしゃに泣き崩れた時、
キレイだと思った
殻がはがれた瞬間の輝きみたいなものを感じて
俺は奮い立った

魚野郎の所から戻ったナミは、身体全体に自由をまとって、
生き生きと呼吸している様でキレイだった

それがある時から艶が加わっていった
何でだと思って見ていたら、視線が絡む先があった
ゾロだった
視線の交じりあいで二人の関係がどういうものなのか
俺にだって分かった

ナミはどんどんキレイになっていくし、
ゾロも変わった 雰囲気 戦い方が
守りたい相手が出来るって、自分が変わるほどの事なのか
色恋事なんざ興味ねえって顔、一番しているくせに
一番ヤル事やって、ナミを手に入れたゾロには、
何かしらオトナの余裕のようなものを感じた
畜生コイツと悔しい思いも感じた

4. 4

そして今、俺の目の前にビビがいる。

最初に会った時はミスなんとかって変な名前で、変な服を着た、
変な奴だと思った

でっかいおっさんがいた島では探検に行く俺についてきた、
おもしれえ女だと思った

白い寒い国では、突きつけられた銃にびびることなく、
撃たれて血を流しながらも「仲間」のために、
甲板に額がつくまで頭をさげられる、
すげえ奴だと思った

でも、こいつも決して本音を出そうとしない
背中に何かでっけえ物を背負っているようだった
「仲間」になりきらない
決して本当に手を求めない
何もかも一人でやろうとする


抱きしめるとにっこり笑い、はにかむ様子
いたずらみたくキスをすると、真っ赤になる
その反応は面白い

でも 俺の本音は違うところにある
こいつを滅茶苦茶にして、その全てを俺の物にしたい
瞳も身体もその心も全てだ
何もかも奪ってやりたいし、俺はそうする

今は軽くキスするだけの俺の本音を知ったら
こいつはどうするだろう?
いや こいつの態度なんて関係ねえ

俺は俺のやりたいようにやる
まず こいつの本音を引きずり出して
その本当の顔を見てやる
俺がこいつの背負うものを奪ってやる

時間はあるさ
こいつはもう「俺の仲間」なんだから


おわり

 

これが全ての始まりでした。
某所(笑)に刺激をされた「攻め船長」
ルフィにある海賊の部分を強調するとこうなると私も思います。
女性陣をキレイと正直に認める彼もまた彼だし、
簡単に口に出しそうに思います。
コックの手管よりある意味強烈かも

えみさんありがとうございました!!
そして掲載を許可して下さった栗果さん!
本当にありがとうございます。


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