たまちよさんのナミ誕は何とリクエスト企画で!思わす応募してしまった所これが我が脳内リンク仲間みっくすさんとシンクロナイズドリクエストと言う事で二人に頂いたのです。
みっくすさん 「浴衣で縁日。金魚すくいゾロナミとか、わたあめ買ってとねだるナミちゃんとか・・・」かるら 「和服ナミさんを!!ゾロと背中合わせなどで並べてみたいです。宜しければ手には縁日系の小物が希望です。」
これは二人で鼻にクリップをして踊らないといけないわね!


たまちよさんの和服のゾロナミ!!しかも金魚の袋には愛らしいマリモ付きですよ!!
たまちよさんのナミさんはラインもほんわりと柔らかくて更にゾロは柔らかい色気があるのでもの凄く大ファンです。いつもイラストに癒して頂いてます。今回のゾロが用心棒にも見えてしまった私。ナミさんが可愛すぎて困っておろう!(笑)ふたりともの腰のラインが涎モノでね!

みっくすさんが引っ越し落ちの合間に独りで踊って先に展示させて貰っちゃうもんね!



思わず筆がするするといったので下のはコラボと言うよりは押しつけ。


『宵祭』

「おいナミ!まだかぁ?」
宵闇が迫り夕焼けがだんだん色を変えている。境内のスピーカーから流れる音楽に町中が浮かれている。表通りには親子連れやカップルが嬉しそうにそぞろ歩いている。
今日は祭りだ。

去年も祭りに一緒に出かけた。それはまだ二人の関係が曖昧だった頃。祭りの灯りに見慣れたはずのミニスカートから覗く足に妙にドキドキしたのを覚えている。二人分け合ったアイス棒が美味くて「来年も一緒ね。」そう言ったナミとの約束をゾロも内心は楽しみにしていたが、それはおくびにも見せなかった。

腕時計を見るともう約束の時間を過ぎている。ゾロには珍しく時間通りに約束したナミを迎えに来たというのに。流石に迷子癖のある彼も送り慣れたナミの家は迷わない。
去年も見たナミの家の前の夕顔の花が五つばかり開いていた。その数も十数回数え終わり、はき慣れている下駄を鳴らしてもまだナミは出てこなかった。ゾロ自身、浴衣は家でも習慣的に着慣れている。待ちながら手持ち無沙汰で袖に両手を突っ込んだ。亡き父の残したこの浴衣を今日は姉に押しつけられて着てきた。落ち着いた茶と黒を地にした帯は落ち着いた雰囲気がある。袖を通してみれば背丈が父を超えてしまっていた。ナミとの身長の差も一年分開いている。体格の差も、ふざけてじゃれあった時にふとそれを意識する時がある。


「遅せぇ。」
今日に限って定刻にうるさいナミが時間通りに出てこない。
イライラが募り始めていた。面倒だがもう一度呼び鈴を押す羽目になりそうだ。
境内の方からどっと人の喧噪が聞こえた。背後のそれは祭りの音楽に乗って楽しげに響いている。催される予定のステージでも始まったか。
「始まったな。」


「おまたせ。」
背後でドアの開く音がして涼しげな声がした。悪びれ感のないその声に人を待たせといてその態度は何だ、と振り向きながらゾロは口を開いた。
「遅せぇ!帰るとこだった・・ぞ・・・・・。」

開いた口のまま、ゾロは言葉を飲み込んだ。
ナミが立っている。確かにナミだ。始めて見る浴衣姿の。
けぶったようにその全体像が揺らいでいる。オレンジの髪の光沢も含めて全身が柔らかく光って見える。柔らかい撫子の柄の花びらの先に染まった藍の色と落ち着いた紫の帯がいつもになく大人っぽい。昨日までの元気なだけのナミじゃない。全体の印象も、髪の毛までもが柔らかく仕上がって輝いている。
腕組みを解けずに開いた口も塞げずに立ちすくむゾロにナミは微笑んだ。薄紅色の唇が光を揺らしながらゆっくり開く。
「どう?似合う?」

「・・・お・・。」
顔が熱い。口を開くと顔が一気に紅潮しそうだ。大体何と言っていいのか判らない。
ゾロはそのままくるりと振り向くと歩き始めた。
「あ、待ってよ。」
慣れないナミの下駄の柔らかい音にすたすた歩き始めたゾロの歩速が緩んだ。両腕を袖の中にしまいこんでゆっくりと足を運ぶ。ナミはゆっくりとついてくる。横を歩くからんからんと下駄の足音が心地よく響く。

ゆっくり歩きながらゾロは黙ったまま、ナミに気付かれないようにたまにちらちらとナミの姿を観察していた。
肩は細くなだらかに下りている。着物が胸のあたりで膨らんでる様の方がいつものぴったりくるTシャツよりも色っぽい。足の長いナミだが、帯の下の長いラインの上の丸い尻に思わず下着は付けているんだろうかなどと不届きな事を考えてみたりした。ふと気が付けば真横を歩く自分よりも少し離れた他の奴の方がこのラインをよく見られると思うと、理不尽ではあるが少し不愉快な気持ちが沸いてくる。

「沈黙は金・・かな?似合って声も出ない?」
からかうようにナミは先回りして振り向き、ふふふと笑う。その笑いも軽やかに跳ねる。

二人の周りの人通りが増えてきて通り行く男達の視線がうるさい。
祭の灯りが眩しくなってきた。それ以上に横のナミがゾロには眩しい。
その柔らかそうな白い手を取ってみたい気持ちが大きくなって、思わず手を懐手にしてそれをごまかした。
「ねぇ眉間の皺とってよ。ほら、楽しもう?金魚すくい、楽しみにしてたのよ。」


金魚は絶対二匹、とナミは主張する。綿飴も欲しいしかき氷も忘れちゃダメと人の財布を当てにしてる。
マリモまでオマケに貰ってご機嫌なナミの横で、繋ぎたくてもまだ繋げない左手の処理に困っている。