ナミの雷が落ちた。
怖かった。
まだ何度も放電して・・どうやら雷神が止めたらしい。



チョパ日記外伝 −雷神−







「緊急事態だ。チョッパー!ガードポイント!」


空島の一言がスイッチだった。
船に戻って荒れまくるナミはゾロに八つ当たりをしていたかと思うと、今度はチョッパーとウソップにその戦火を広げ、帰ってきたロビンにもその火の粉は降りかかった。
それくらいなら何とかしのいだが、ナミは収まらない。
遠くでロビンにお茶の用意が出来ましたとサンジの甘さを増した声が聞こえる。
付き物の茶菓子にルフィは寄せられているんだろう。

ケチャップ星が半分顔に残るウソップは思い詰めたような顔をしていた。
「何とかしろよ〜。ゾロ、お前の領分じゃねぇか。」
「なぁんで俺があんなののとばっちり食わなきゃなんねぇんだよ。」
「だ〜れ〜が〜とばっちりですって!」

ひそひそ声の会話を聞きつけてナミの怒りのお鉢がまたゾロに回ってくる。

その時ウソップの決意は固まった。
“餅は餅屋”
その言葉が脳裏を巡る。

「緊急事態だ。チョッパー!ガードポイント!」
「おう!」
チョッパーの返事がきびきび返り、ウソップの前に立ち変形した。
勢いの乗った命令口調に疑問のはいる余地はなかった。

「合体技第二弾、ウソッチョ〜〜〜ボウリング!」

そのままチョッパーを突き飛ばすとチョッパーはその形態のまま転がっていく。
戸の開いた砲台の倉庫に向かって一直線。
その直線上のナミとゾロを巻き込んで入り口に突っ込んだ。
「うわ〜〜〜目が回るぅ〜〜」
「おわっ」
「きゃっ なに・・?」
「ゾロ!タイムリミットは30分だ!」

壁にぶつかったチョッパーは目をぐるぐる回しながら変形を解きいつもの人獣型に戻って壁際に倒れた。
言葉を発するまもなく二人が部屋に転がり込んだのを確認したウソップはそのまま走り込み勢いよく戸を閉めた。

「板」「ヘイ」サッ
「釘」「ヘイ」サッ

さっきまでのかけ声をかけられてチョッパーは目は回っていながら体がリズムに乗って反応する。
さっきの残りの板がそこにあったのも幸いした。
カンカンカンカン・・・・
「ふう〜」
釘を打ち終えたウソップはドアを背にして額の汗をぬぐった。
「ゾロ、お前のことは勇敢だったと報告しておく。」

中からどたばたと戸を叩く音がする。ナミの怒りにまかせた声も少しだけ、もっとも何を言っているかまでは判らないが。しかし砲台として作られた部屋の壁は案外厚く、中の声はあまり漏れない事をウソップは知っていた。

「な・・?良いのか?」
「雷ってのは雷神に任すのが一番だ。」

静かになった甲板をスキップで行くウソップが居た。
出航はもう少し伸ばさないと行けない。その30分をひねり出すために。



30分後ウソップがそっと釘と板を外した。
その10分後に戸は開いた。
雷はもう居なかった。


船は進む。チョッパーはこっそり聞いた。
「ゾロって雷神だったのか??」
「ああ??? うるさい口は塞ぐしかねぇだろ。くそ・・ウソップの奴・・押しつけやがって。」
機嫌が良さそうなのは何でかな?






閉鎖直後砲台横にて
「き〜〜〜〜〜!!痛ったぁ。あんの鼻の奴鼻の奴!!なにすんのよ!
閉じこめた?・・・・・・・今に見てらっしゃい!」
「・・・・やれやれ30分限定付きとはな。」
「?何する気よ?」
「・・・・ナニ。時間もねぇぞ。」
「なぁんです・・・・って・・・・あ・・。もうなにっ・・よ・・・・・・んんっ」