未来


常に先を見ている人でした。




ヘッドと名は付いておりますが、それが私の頭であるという概念は私の中にはありません。
私は全てで全てが私です。
ヘッドと名の付いたそこは常に私が進むべき方向を示す物でしかないのです。




彼が・・ただ遠くを見るつもりならばおそらくは私の一番高いところーマストと呼ばれる柱ーの方がより遠くまで見渡せたでしょう。
高さも、登ることも彼の柔軟すぎる卓越した身体能力にとっては苦にもならなかったはずです。
が、彼の定位置は常にここでした。



なにも語らなかったり、独り言や鼻歌。
何をしていてもしていなくても彼がここに乗っているときが、一番彼を身近に感じた物でした。


     船長(キャプテン)

最初の持ち主の少女が私に言付けて託した未来を体現できる唯一の人でした。



彼がそこで見ていた“未来”。その時にはいつまでも一緒だと思っていました。











Backboard illustrated COMMON SUN
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