wj552 『エースと白ひげ』

少々遅れつつも。

「兄弟の父親はドラゴン」そう思いこんだおかげで割を食ってしまったイワ様ではあるが、ルフィが望んだり謀ったわけではなく、さしもの伝説のオカマ王も彼の天運に巻き込まれてしまっただけなのだから仕方がない。では革命軍は今回どう動くのか?ドラゴンの、見送る以外なにもしていないらしい父としての過去を考えるにルフィのために革命軍を動かすような事はするまい。ただ、海賊王ロジャーの息子のエースの価値はわかっているだろうから機を見れば動くかもしれないが。
この世界の勢力争いとして海賊には海軍が、世界政府には革命軍が挑むのが相応だと考える。だからドラゴンは海軍のためには動かない。だがこの驚天動地の騒動、海軍だけの話だろうか?ああいう描写が基準であれば世界貴族は消されたはずのルフィの参加を聞けば下手をすると白髭との戦いよりもルフィを、海賊よりもくまの叱責を優先するような愚を犯す可能性は否定できない。そこまですれば舞台は整うわけだがストーリーテラーの作者のこと、こんな簡単な世界観ではなかろうに。
だが、今、ロビンが飛ばされた橋。世界政府のおそらくはふれられたくない部分を革命軍が乗っ取ったということは世界を転覆する動きの萌芽の可能性は高い。フランキーのおかげでDRベガパンクに対する知識が得られればそれは戦闘の機先を征することができるのかもしれない。まだ描かれないチョッパーとブルックとゾロとナミの行き先も何かかにか関係はしてくるはずだ。


ルフィは海賊女帝を動かし、オカマ王も動かした。
おそらく、エースにはこの運の良さはない。ただ今回語られたのは非常に魅力的な過去である。奇跡的に助かった海賊王の遺児という貴種流離譚。昇竜の勢いで上り詰めた七武海からの打診すらあったルーキーが最大の覇者白髭に負けて息子と呼ばれる。おそらくそれは彼自身が知らぬ間に渇望していた言葉と思いだったに違いなく。それを得て仲間からの、そして敵からすら好かれる力と人格の良さでかなりの人数に好かれた。彼は、覇気も器もルフィとは種類が違う。だからこそ白髭の世界が彼の世界になり、彼を海賊王にすると誓ったわけだ。ただ白髭が海賊王の地位を欲しているのかは定かではないが。これがルフィならば白髭からは息子と呼んでもらえまい。自分に下らない漢は赤髪のように並び称されるようになるだけだから。

一見、ルーキーでしかないルフィがこの場に行ったところでなにも変わらないように見えるが、彼ほどの天運と大器が関わればなにも起こらないはずはない。近い話ではただの人魚一人の人身売買が世界貴族の怒りを買い、海軍大将の腹いせとはいえ500人を越える大取り物になり、いないはずの冥王を動かした。その天運は海軍vs大海賊の世界をかけるレベルの戦いに全く別の展開をもたらすであろう事を期待している。

2009/08/14






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