エースの出生考察

どちら様にも衝撃を与えたエースの父親。私は衝撃が強すぎてこの号のジャンプの他作品が読めたのはかなり後になってからだった。
今更ではありますがこの情報を整理いたしたく。個人的検証と考察を加えて整理しておこうかと。

まずこれでエースとルフィの間にはいとこ以上の血の濃さはあり得なくなった。(例外として母同士が姉妹ならば成立する)回想シーンでやや瀕死気味のロジャーはガープに「ガープ」と呼びかけている。この世界でも親に対してこういう呼びかけはみられていない。親父(エース、ウソップ)、とか父ちゃん(ルフィ)となるはず。あのシーンは自首後、エースが胎児となり産まれる19ヶ月〜15ヶ月前のシーンと考える方がすっきりする。ガープには海賊時代からの旧知の仲で託したと考えたい。
ここで問題になるのは誰がロジャーにそれを告げたのか、である。ルージュなら足取りがばれやすい。解散した海賊団ならば縛り首。誰か島の知り合いがというべきか、これも面会は難しかろうと思う。ならばいっそガープ経由で知らされた方がまだ簡単だと思われる。この時点でガープはルフィの祖母と出会い息子ドラゴンはある程度成人していると考えて間違いないだろう。そのドラゴンすらルフィの母と出会っている可能性がある。
ガープ自身海軍でも名を馳せ始めていることを考えると自分で育てるという選択肢は無い。これが可能ならばベルメールは海軍で給料を貰いながらノジコとナミを育てる方が経済的に問題なかったはずだから。ガープなら知人は多いだろうが、そのうち誰が両親の死んでしまった、しかも巨大なリスクを抱えた新生児を預かるか、またはガープが預けるかと言えば自分の連れ合い、つまりドラゴンの母が一番可能性が高く、次ならば知人であったルフィの母親の家にあずけるかとなると思う。この場合ルフィの母親個人的にはまだ未婚であるが故に否定的。後に産まれたルフィとともにエースを育てている以上養子的な預け方はしにくいのではないだろうか。

ここで「ダタン」という名を思い出してみよう。ルフィの母説、祖母説、男名前の印象がある以上その他とあるが、この時点でまだルフィは影も形もない。となるとガープがエースを預ける信頼を置ける相手は他には考えにくく、それをなしえたフーシャ村とその村長とともに重要性はますます高まってくる。


ルフィは知っていたか。
知っていたか知らずとも今までもこれからも何の関係もなくエースのために命を懸けるだろう。だってエースは兄ちゃんだから。
エースの姓が違うことはルフィは知っているであろうが彼が解っているかは不明である。比してじーちゃんと自分の姓は一緒であることは意識すらしていないと思われる。だってじーちゃんだから。

赤。
尾田先生は色にこだわりの多い方と推察する。その中でも「赤」へのこだわりと優位性は言うまでもない。赤髪しかり、ルフィの色は赤で、ゼフの赤赤足、炎のエース、その中でエースの母の名がルージュである。かの海賊王が命の瀬戸際に会いに行き、その思いを受け小さな命を身ごもった南の海の娘。出身地の東の海でない以上グランドライン制覇の前の航海の際に出会い、惹かれ、最後をともにした思いの深い相手と考えられる。シルエットでしかないがたおやかな外見、なのにエースを守るために発揮したあり得ない情熱。命をかけるその情の深さ、強さ。怖い位の芯の強さはこの世界の強く美しい女性陣の中でも群を抜く。母として登場した女性は赤銅色のベルメール、黒髪のバンキーナ、プラチナのオルビア、リカの母。広域ではココロさんもフランキーには母に等しい。その中でもやはり筆頭の強さ、美しさだ。この設定に並々ならぬロマンスを感じずにはいられない。


正直、エースの存在は不思議だった。彼がいなくても、ルフィの物語は成立する。仲間を捜して世界を旅すれば良い。おそらくは彼のキャラクター上シャボンディで起こした騒動のように無意識のうちに世界政府と対立する側として台頭していくことは疑うべくもない。征服欲はなくとも強すぎる人を巻き込む運の持ち主はある意味はた迷惑でしかないが面白い。しかし、ドラムから深く巡らされたエースの伏線がルフィの運命を大きく変えてゆく。黒髭ティーチと白髭との対立、黒髭の世界への野心によって動かされる世界政府と海軍、未だあかされぬ革命軍の動き。これら世界の動向にルフィを深く関わらせ、世界の中心にただ巻き込まれてゆくことになる。そしておそらく彼を中心に世界を変えてしまうのだろう。その為の伏線としてはあまりにも遠大、且つ壮大すぎる。

今後も目が離せない。

2009/07/26






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