判りやすい回でした。 失望した若いチョッパーが絶対に許せないと考える。それにもの凄く共感できる位イヤらしいホグパックの造り。
いいなりゾンビの制作を医術と言ってしまうホグパックと死体を玩具にしているに過ぎないと怒るチョッパーの戦いです。 チョパの心と体の生き死にを語る言葉達はわかりやすくて重い。
生と死を語る上で、生きていた頃のシンドリーちゃんの今とは違う生き生きとした表情の可愛らしいこと。今のシンドリーちゃんとは別人ですね。これだけでも語れてしまっている。凄いよ。
けど想像してみました。 ある世界における天才が失恋して自棄になった。 ふられた女が言いなりになると言う悪魔の夢一つがあれば他には全て背いても良いと思うようになった。そして彼は禁断の技に手を染めた・・。 あのビジュアルのホグパックだからこそ腹が立つわけで、これが哀愁漂う美形の造りだったら「やむなし」と思うファンが出来ていたろうなぁと思ったりするんですが。
以下はもっと暗い考え方だから尾田神信者ならば避けていただく方が不快感がないと思います。 原作批判的な要素を含みます。
今週のホグパックの考えに怒りが寄せられるのも当然と思います。 医者は他人の生命に尊敬をおけない人間にはなって欲しくない職業です。
でも。 そう思っていても天才的に人体が判る技量を、それ故に物としか観ることの出来ない悪魔の心の持ち主が持っていたら…… 「他の医者に治せなくとも俺になら治せる。そう言う俺を尊敬するのはお前の自由 失望するのは筋違い。理想と違った俺を許せねェと思うならとんだ思い違いだ」 もの凄く傲慢な意見ではあるけれど真実で、ある種危険すぎる魅力を持った言葉だと思いました。 ゾクリとしたね。 今回のスリラーバークは多方面へのネガティブとの戦いという点で今までにない敵達ですね。一見、ゾンビといってもノリが軽かったり笑いの要素をふんだんにちりばめて、テンポも速い。その魅力は尽きませんがあくまで敵はネガティブ。 モリアですら生きることにも自分の欲にも実にネガティブです。
だからチョッパーは「俺が許せない」から怒ってる。ルフィの同じ流れのポジティブです。心がないのに身体だけだなんて。
それでも。一番納得いかないのがここ。 「お前を殺す」 チョッパーのこのセリフが失敗じゃないかと思うんですが。 インパクトはありますよ。判りやすい。舞台的にも生える最上の台詞だとは判ってます。
だけどこれはNGワードです。医師であるチョッパーが言ってはいけないセリフだから。 この「お前」がゾンビ相手だったとしてもゾンビにされてしまった肉体を止めるためにも、そのゾンビにとらわれたままの生者の影を開放するためにも、ホグバックのいう再生したゾンビはゾンビであることを止めなきゃいけないと思う。止めさせなきゃいけないと思う。
けどその為にであっても、例えナミやロビンが口にしたとしても、チョッパーは殺すと言ってちゃいけないと思うんですよ。 批判はおこがましいけど、「終わらせてやる」とか「ちゃんと死なせてやる」という台詞にすべきだと思ってしまうんです。 ここはテンポとわかりやすさのために犠牲になった台詞だと思うんです。
ここがどうにも引っかかって。
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