今回のは二本立て。前半はね、もうゾロにしびれておりました。 (ただの馬鹿の意見ですから)
誰だってウソップにもう一度帰ってきて欲しいんですよ。 彼らもだし、私達も。 どんな仲の良い仲間同士だって考えは違う。己を偽れないからこそ袂を分かつ場合もある。 今回の始まりは売り言葉と買い言葉だったかもしれない。けど己の誇りを掛けて決闘して、そして別れた。 それは海賊である自分たちを支える屋台骨です。海賊なんて誰も認めてくれる訳じゃない。己の中に括った槍がなくちゃできない、そんな生き物ですから。 通さなくちゃいけない筋目ってのは誰が思うよりも重い物です。自分が納得すればいいと言う物じゃない、誰が見ても納得しないといけない。 無法な集団ではあるけれどこの筋を通せとゾロは己の誇りに掛けて主張するのです。仲良しの集まりじゃない。それが聞き入れられないなら自分が居るべき世界ではないと。 最初の一言が詫びの言葉でなくてはならないと。 これでも最低ライン。かなり優しい妥協線ですよね。
(ゾロ)お父さんが怒るのはこれで良いと思うんです。 (ナミ)お母さんが止めるのもこれで良いんです。 こうならないとこの船じゃないのよ!! (マイツボ炸裂)
こう言うときにロビンとフランキーが黙っているのが既に仲間なのだと思いました。 彼らの関係にまだ口を差し挟めないことを判る大人な彼らが大好きです。
一緒に来て欲しいという思いを抱えて待つルフィは拳骨のガープ通称じーちゃん(逆!逆!)にお株をとられて大暴れされちゃいます。じーちゃんラブ〜。
騒動の中出航しかかってそこに来るウソップ。 今まで考えた自分に楽なウソを並べ立てて、それを聞こうとしない彼らに慌てます。 感じつつ殺していた不安と罪悪感が一気に押し寄せてきてウソップを潰しそうになります。 そうだよ彼らが聞きたいのは聞いて良いのはそれじゃない。
んで出たのが 「ごめーーーーん」の一言。 初読みで「これで良いのかという意見もあるだろうなぁ」と思いました。
けど良いんだと思います。これは少年ジャンプだから。
鳥さんとしては大人が少年達に教えてやれるクリスマスプレゼントだと思いました。 「主張が違えばケンカもする。そういうときには心おきなく徹底的にしよう」 「でもまた仲直りしたかったらどうすればいい?」 「あやまろう!ただひたすらに心から謝ろう」 「そして待つ方もそれを受け入れる懐の深さを持とう」 「許し合うことは良いことだよ」
世界がすさんでいくとされる中で、最大級の支持を誇るコミックスの力は舐めることはないと思います。 だからこそ訴えてくれたのでは?と思います。 良い物や強い物を見て強い男になってねというメッセージ。それを受け取ってくれたらもしかしたら世界は少し変わるかもしれない。 最近ちょっと脱がせすぎでは?と思う少年誌との逆風がとても気持ちよかったです。
子供を持つ親として見ているのは甘い夢かもしれない。けれど、夢も持てない世の中で、爽快に海を渡るのが彼らだからこそ託せるメッセージなのではないでしょうか?
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